考古学研究会
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岡山県岡山市北区清心町16-37長井ビル201
TEL・FAX 086-255-7840
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お知らせ
2025年3月7日に陵墓に関する共同声明を表明しました
2024年度の陵墓立入観察に際し、陵墓関係学・協会が発出した意見表明を下記に掲げました。
24年度は列島最大規模の前方後円墳である大山古墳での立ち入り観察でしたが、これをこれまでの活動の到達点とせず、今後の陵墓公開活動継続とこれまで以上の取り組みを決意表明したもので、考研も賛同致しました。本会は今後もその中核的役割を果たして参りたいと思います。さらなるご支援、ご協力の程、宜しくお願い致します。
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記
2025年3月7日
「第17回 陵墓立入り観察」に際しての意見表明
陵墓関係学・協会※
私たち考古学、歴史学分野の学術団体では、宮内庁が所管する陵墓について人類共有の重要な歴史文化遺産であるとの認識のもと、その保存と公開を求める活動を「陵墓関係学・協会」として連携して行ってきました。このたび、宮内庁の理解を得て「第17回 陵墓立入り観察」を実施するに際して、これまでの経過と将来への希望、活動の継承について以下の通り意見表明いたします。
陵墓となる古墳の墳丘立入りへの最初の要望は、1976年5月でした。以来、ほぼ例年にわたり宮内庁との交渉を重ねております。1979年10月には、宮内庁の陵墓保全整備工事にともなう事前発掘調査箇所を対象とした第1回限定公開が、大阪・白髪山古墳で行われています。2005年7月には、「陵墓の立ち入りについて(お願い)」を宮内庁に書面で提出しました。その際、具体的な11カ所の古墳・遺跡をリストとしてあげました。この要望に対して、宮内庁においては2007年1月実施の「陵墓の立入りの取扱方針について」が決められ、墳丘第1段(―墳丘の最下段上面のテラスの順回路)まで立入り観察が許可されるようになりました。第1回立入り観察は2008年2月奈良・五社神古墳でした。この新たな方針決定は、陵墓関係学・協会が継続して来た陵墓公開運動の結果によるものと評価しています。
立入り観察により測量図や絵図、写真、文献史料の検討では知ることの出来なかった墳丘各部の様子が、より詳細に把握できるようになったことは言うまでもありません。さらに墳丘の表面に露出した埴輪や葺石の状態について新たな知見を得ることにもなりました。また墳丘の遺存状況の観察は、古墳の保全環境対策といった新たな課題の発見につながるものと確信しております。
本日実施となる大阪・大山古墳(大仙陵古墳、大仙古墳)の立入り観察は、2005年の要望当初より第一候補として立ち入り許可を求めてきたところです。この間、渡濠という難問を抱えながら、今回、見学ルートの安全確保やその具体的準備など、宮内庁において多大なるご配慮をいただいたことを、ここに改めて感謝いたします。
陵墓となる古墳や遺跡は、公開において宮内庁管理にともなう制限があることは承知していますが、将来にむけては公開の拡充を進めると共に、精度の高い学術情報を得るための観察範囲や機会をさらに求めて参ります。
私たち陵墓関係学・協会では、社会の理解と協力が得られることを基本に活動の継続を、ここに表明いたします。
※京都民科歴史部会・考古学研究会・古代学協会・古代学研究会・史学会・地方史研究協議会・中国四国前方後円墳研究会・奈良歴史研究会・日本考古学協会・日本史研究会・日本文化財科学会・日本歴史学協会・文化財保存全国協議会・歴史科学協議会・歴史学研究会・歴史教育者協議会(50音順)