考古学研究会
<考古学研究会事務局>
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65回総会・研究集会ポ スターセッション題目一覧


◆P-1 原始・古代史学習において利用可能な編年分布図の作成 -”考古学の「考え方」が『教科書のキーワード』を読み解く!?”ために-
    ――八田友和、鈴木康二
◆P-2 遊んで学ぶ高瀬舟~高瀬川と地域密着型ワークショップの実践事例~-
    ――鈴木康二、八田友和、井上翔太、森田真史、三原大史、桑田知明、土師唯我、福山博章
◆P-3 桜井市三輪山における古墳時代祭祀の画期
    ――小林青樹、金田明大、山本亮、萱原朋奈、新里遥、中島愛理
◆P-4 左右交互刃石庖丁による収穫実験と使用痕分析 -刃の付け方は機能に影響するか-
    ――森貴教、原田幹
◆P-5 中世に陸化した岩国平野の地形環境変遷と土地開発史
    ――宮本真二、岩国市産業振興部
◆P-6 地域の文化資源に関する知の集積と評価について
    ――津村宏臣、まにわ大楽ふるさと研究所、真庭市教育委員会、荒木山の古墳を顕彰する会
◆P-7 文化資源の社会的発掘と遺跡の非破壊情報化について
    ――新谷俊典、荒木山の古墳を顕彰する会、同志社大学文化遺産情報科学調査研究センター、まにわ大楽ふるさと研究所
◆P-8 奈良県斑鳩町における古墳の調査研究
    ――豊島直博、稲垣僚、鈴木郁哉、田中秀弥
◆P-9 法垣遺跡出土の人面形土製品
    ――福永将大
◆P-10 唐代住居址出土鉛釉陶器の研究-両京地区を中心に-
    ――陳斯雅、龔国強
◆P-11 考古学と音楽教育の連携-中根八幡遺跡の縄文土器と音楽づくり-
    ――中村耕作、早川冨美子
◆P-12 総社市宮山遺跡の三次元計測
    ――光本順、新納泉、四田寛人、山口莉歩
◆P-13 唐長安・ 青龍寺における瓦の使用状況
    ――呂 夢
◆P-14 先秦養馬技術考
    ――菊地大樹、覚張隆史
◆P-15 東日本の弥生・古墳時代の台付き深鍋の選択理由
    ――小林正史、外山政子
◆P-16 弥生時代前期の集落内における石器生産
    ――朝井琢也
◆P-17 栃木市中根八幡遺跡第4次調査の成果と研究
    ――岩永祐貴、中村耕作、小林青樹、福永将大、新里遥、萱原朋奈、桐部夏帆
◆P-18 古墳時代開始期の徳島県域における炊飯方法の変化
    ――三阪一徳、近藤玲、小林正史
◆P-19 岡山県南部における縄文時代の海域変遷と遺跡動態
    ――山本悦世、山口雄治、鈴木茂之、岩﨑志保
◆P-20 縄文・弥生時代の陥穽漁労-筌状製品の再検討-
    ――西原和代
◆P-21 詳細観察・三次元計測・胎土分析に基づく特殊器台の検討とその進展
    ――中園聡、太郎良真妃、平川ひろみ、若松花帆、春成秀爾
◆P-22 「周縁地域」をどう捉えるか
    ――平川ひろみ
◆P-23 三次元計測の実践から-土器資料における大型品から破片資料まで-
    ――太郎良真妃
◆P-24 持続可能な開発目標(SDGs)からみたスーダン国立博物館所蔵鉄製品
    ――関広尚世
◆P-25 弥生社会における人の「移動」-神奈川県2遺跡の事例から-
    ――佐藤兼里、白石哲也

P-1 原始・古代史学習において利用可能な編年分布図の作成
   -”考古学の「考え方」が『教科書のキーワード』を読み解く!?”ために-

八田友和、鈴木康二

 原始・古代史学習において利用可能な考古資料の移動や推移を時間的・空間的に把握できる教材づくりを行った。具体的には、全国規模の前方後円墳や黒曜石の分布図を複数枚作成した。また、新指導要領における「考古学などの成果の活用」を踏まえつつ、本教材を用いて授業実践を行ったため、授業の概要と課題、成果についてもポスターにて報告し、広く会員諸氏と議論したいと考えている。

P-2 遊んで学ぶ高瀬舟~高瀬川と地域密着型ワークショップの実践事例~

鈴木康二、八田友和、井上翔太、森田真史、三原大史、桑田知明、土師唯我、福山博章

 「ちゃいれじ」は、歴史系のワークショップを通じてこどもの「知りたい」を応援する団体です。2018年度は、子どもゆめ基金の助成を受けて、京都市下京区の第44回高瀬川夏祭りの関連イベントとして「ワークショップ/高瀬舟を作ろう!」を実施しました。その目的は、高瀬舟を模した舟を手作りし高瀬川に浮かべる体験を通じ、高瀬川の由来・役割と輸送船として活躍した高瀬舟の歴史を学びながら、高瀬川をより身近に感じてもらうことにありました。今回はその成果と課題について報告します。

P-3 桜井市三輪山における古墳時代祭祀の画期

小林青樹、金田明大、山本亮、萱原朋奈、新里遥、中島愛理

 桜井市三輪山は、古墳時代を中心とする祭祀が行われた場所として著名である。昨年度から三輪山から出土した遺物の総合的な調査を実施し、今回は古墳時代の出土遺物のうち、主に須恵器に焦点をあてる。具体的には、三輪山での祭祀は纒向遺跡に併行する古墳時代開始期から行われていたが、その後時間的空白があり、4世紀後半の初期須恵器を用いた段階以降に祭祀が本格化し、幾度かの画期を経てその後7世紀で終焉する。以上の概要を報告する。

P-4 左右交互刃石庖丁による収穫実験と使用痕分析 -刃の付け方は機能に影響するか-

森貴教、原田幹

 逆三角形を呈し左右それぞれ反対の面に刃面をもつ左右交互刃石庖丁は、朝鮮半島南部と北部九州の両地域に分布しているが、半島と北部九州では刃の付け方が逆である。これは石庖丁の使い方や「文化的なくせ」の差異などと考えられてきた。本研究では、2つの異なるタイプの復元石庖丁(半島タイプと北部九州タイプ)を用いてイネの収穫実験を行い、石庖丁の使用法と刃の付け方との関係性を検討する。併せて、使用痕分析の結果を速報的に発表する。

P-5 中世に陸化した岩国平野の地形環境変遷と土地開発史

宮本真二、岩国市産業振興部

 瀬戸内臨海平野の岩国平野(錦川河口域)の地形環境変遷と土地開発過程との関係性を明らかにした。その要約は,1岩国平野の基本層序は他の臨海平野部とほぼ同じであることがまず明らかとなり,同様の地形発達過程であった。イベント発生の要因は,現段階では不明だが,2地形環境変化期は,他の内陸の沖積平野の発達史との同時代性が指摘された。また,3平野の中世段階での陸化が推定され,城下町形成に代表される以後の土地開発が急速に進展したことが推定された。

P-6 地域の文化資源に関する知の集積と評価について

津村宏臣、まにわ大楽ふるさと研究所、真庭市教育委員会、荒木山の古墳を顕彰する会

 真庭市は、2018年度より故郷を知り、その思いをはぐくむ「郷育」推進のため、住民参加型の歴史資源活用「郷育」の取り組み、まにわ大楽ふるさと研究所事業を進めている。本年度は旧北房町域での文化資源(古墳や寺社の有形、郷土料理や祭祀など無形)の地域知を再整理し、その総合化の評価を大楽の「演習」として実施した。本報告では、地域の知の構造を可視化し、これと文化財行政、文化資源学実践との関連について報告・検討する。

P-7 文化資源の社会的発掘と遺跡の非破壊情報化について

新谷俊典、荒木山の古墳を顕彰する会、同志社大学文化遺産情報科学調査研究センター、まにわ大楽ふるさと研究所

 真庭市では、地域文化資源の再活性化と活用の新しい方式として、地域住民と行政、大学機関、地域メディア、地域企業などが連携して文化遺産調査を実施、その成果を地域のために再統合するプロジェクトA事業を2018年より開始した。具体的には、真庭市民を中心に遺跡調査に関心のある参加者を募り、荒木山東塚古墳を非破壊で調査(現況改変を伴わない)、その成果を未来につなぐ共有情報として資源化する事業である。報告では、2018年度事業について報告する。

P-8 奈良県斑鳩町における古墳の調査研究

豊島直博、稲垣僚、鈴木郁哉、田中秀弥

 奈良大学文学部文化財学科は斑鳩町教育委員会と共同で町内にある古墳の調査研究を進めている。これまでに斑鳩大塚古墳の発掘調査、寺山古墳群、亀塚古墳、戸垣山古墳の測量調査などを実施し、首長墓系譜の解明に努めてきた。 2018年度は3基の群集墳である梵天山古墳群の測量調査、藤ノ木古墳の西方に位置する甲塚古墳の発掘調査を実施した。本発表ではその成果について報告する。

P-9 法垣遺跡出土の人面形土製品

福永将大

 大分県中津市所在の法垣遺跡から出土した人面形土製品について検討する。法垣遺跡は縄文時代後期の集落遺跡である。人面形土製品は土坑SK3から出土しており、共伴遺物から縄文時代後期中葉(西平式・太郎迫式期)に属する可能性がある。現在のところ他に類例を見出すことはできていない。すでに中津市教育委員会によって報告されている資料であるが、その性格究明のため、本発表において当該資料の諸特徴について紹介したい。

P-10 唐代住居址出土鉛釉陶器の研究-両京地区を中心に-

陳斯雅、龔国強

 本研究は、洛陽城において40年間にわたって発掘された完形器と長安城の東・西市場から発掘された新資料を研究対象として、考古学の多様な研究方法を用い、都市生活における鉛釉陶器の実際の使用状況とそれと関連する歴史的背景を明らかにした。まず鉛釉陶器における器種の構成・編年、装飾、胎土や釉薬の工芸的な特徴の全体像を総括した。さらに、両京地区の住居址、宮城、市場、寺院などの異なる性格の遺跡において流通・消費の状況が明らかにした。最後に、中晩唐期の鉛釉陶器の機能と意味を分析した。

P-11 考古学と音楽教育の連携-中根八幡遺跡の縄文土器と音楽づくり-

中村耕作、早川冨美子

 子ども向けの体験発掘に合わせ、音楽教育の教員・学生による縄文土器・縄文時代をイメージした音楽活動を行った。また、小学校に縄文土器を持ち込んで、約80人の全校児童とともに音楽づくりを試みた。両実践とも、土器の器形や文様のカタチ・リズムを読み取ってもらうこと、それを当時あり得ただろう様々な自然素材(木の実・貝・骨・石など)を用いることを柱としている。本発表ではこれまでの実践を報告し、考古学×音楽の可能性と課題を論じる。

P-12 総社市宮山遺跡の三次元計測

光本順、新納泉、四田寛人、山口莉歩

 岡山県総社市宮山遺跡は、吉備における古墳の出現を考える上で重要な遺跡として知られる。その三次元計測について、FARO社製レーザースキャナFocus 3Dを用いたレーザー計測および多視点写真測量により、2018年度に実施した。本発表では、計測方法の精度比較や墳丘の形状に関し、検討・報告を行う。

P-13 唐長安・ 青龍寺における瓦の使用状況

呂 夢

 青龍寺は、中国西安に位置する唐代の皇室寺院である。金堂と推定される3号遺跡と、密教殿堂と推定される4号遺跡をメインとする青龍寺建築遺跡群からは、大量の瓦が出土している。これらの瓦は法量と紋様により分類でき、種類によって遺跡内の特定の範囲に分布している。本発表では、青龍寺遺跡の瓦の分類と出土位置を総合的に分析することで、瓦の使用上の特徴を復元し、さらに使用状況に影響を与えた原因も探究するものである。

P-14 先秦養馬技術考

菊地大樹、覚張隆史

 中国古代王朝では、社会・経済システムの中核を担う大家畜として、馬が王権による厳格な飼養管理体制下にあったことが古典籍から窺えるが、後世と比べて文献史料が圧倒的に少ない先秦時代では、その実態についていまだ不明なところが多い。そこで西周時代以降、馬匹生産が盛んとなる陝西省関中盆地に焦点をあて、西周王朝、戦国秦国と北方遊牧民に関連する遺跡出土馬骨の分析を出発点に当時の養馬技術の具体像を導き出す。

P-15 東日本の弥生・古墳時代の台付き深鍋の選択理由

小林正史、外山政子

 本稿の目的は、朝日遺跡出土の深鍋のススコゲ分析に基づいて、東海・関東の弥生・古墳時代に台付き深鍋が普及した理由を解明することである。台付き深鍋には斜め白吹きと胴中部の側面加熱痕が付くことから、西日本と同様に「側面加熱蒸らしを伴う湯取り法炊飯」を行っていた。一方、古墳前期になっても「蒸らしに移るタイミングが遅い(鍋をオキ火上に転がしても米粒がこぼれない状態になってからである)」点が、西日本と異なる。この点に注目し、「台付きを選択したのは、湯取り後の弱火加熱段階において、胴上部まで炎を当てるためだった(=硬めの米品種に対応して茹で時間が名長かった)」という仮説を提示した。

P-16 弥生時代前期の集落内における石器生産

朝井琢也

 近畿地方における弥生時代前期は、金山産サヌカイトの流入が盛んになる時期であり、弥生文化の伝播との関連性などが議論されている。本発表では、京都府雲宮遺跡を例に弥生前期の集落内での石器生産について検討した。分析の結果、雲宮遺跡では、金山産サヌカイトと二上山北麓産サヌカイトの利用傾向や石器製作の工程において、環濠内で地点によって差があることを明らかにした。

P-17 栃木市中根八幡遺跡第4次調査の成果と研究

岩永祐貴、中村耕作、小林青樹、福永将大、新里遥、萱原朋奈、桐部夏帆

 栃木県栃木市に所在する中根八幡遺跡は、縄文時代後晩期の環状盛土遺構を持つ遺跡である。平成27年度から奈良大学と國學院大學栃木短期大学が共同して発掘調査を実施しており、今回は第4次調査の成果と環状盛土遺構における問題について検討する。第4次調査では、盛土の形成過程の解明と中央窪地の状況を確認する調査を行った。特に前・中期から後晩期にかけての遺跡形成過程の状況が明らかなった点などについて論じる。

P-18 古墳時代開始期の徳島県域における炊飯方法の変化

三阪一徳、近藤玲、小林正史

 西日本の古墳時代開始期前後には庄内式・布留式土器が波及し、深鍋(甕形土器)においては丸底化・球胴化・薄手化などの変化がおこる。近年、深鍋の形態的変化が、直置き加熱から浮き置き加熱への変化、湯取り炊飯における茹で時間の短縮化など、調理方法の変化と連動していたことが指摘されている。具体的には、弥生時代では下半部にコゲが付き、かつ横倒ししても米飯がこぼれない状態になってから蒸らしに移行したのに対し、庄内式期では横倒しできない状態で、さらに布留式期では下半部にコゲが付く前に蒸らしに移行したなどの変化である。今回対象とした徳島県域でも同様の変化が確認された。

P-19 岡山県南部における縄文時代の海域変遷と遺跡動態

山本悦世、山口雄治、鈴木茂之、岩﨑志保

 瀬戸内海沿岸域における縄文時代の人間活動を理解するためには、古環境復元と遺跡動態との関連を分析することが、有効な視点の1つとなる。本研究では、まず岡山平野において実施したボーリングコアの分析結果を示し、海岸線の変化に注目した縄文時代の海域変遷について報告する。その上で、想定される古環境と遺跡動態の検討を行った。その結果、平野の拡大や縮小、干潟の出現といった環境変遷が遺跡の増減、遺跡規模の拡大・縮小に大きな影響を与えていることが考えられた。

P-20 縄文・弥生時代の陥穽漁労-筌状製品の再検討-

西原和代

 筌は、様々な工夫をこらして魚を内部によびこむ漁具であり、河川や比較的浅い海水域で使用される。また、民俗学では生業の様相を示す指標民具の一つとされる。日本列島では縄文時代後期以降に筌状の編組製品が確認されているが、これらの遺物の用途は形態的類似から類推されている。本発表では、技法・素材・形態の3つの要素により出土編組製品を分析し、新潟県青田遺跡出土筌状製品を含め、現在までに筌状製品とされているものを再検討する。

P-21 詳細観察・三次元計測・胎土分析に基づく特殊器台の検討とその進展

中園聡、太郎良真妃、平川ひろみ、若松花帆、春成秀爾

 特殊器台の実像に迫るべく,特殊器台・特殊器台形埴輪について,編年,製作技法,生産-消費システムの復元などの課題に加え,製作者の身体技法や個人識別などの観点を含む多角的調査研究を実施してきた。本発表では,発表者らの最近の研究による進展について論じるものである。すなわち,生産地から移動した可能性がある特殊器台の例や,製作技法の詳細などで新たな知見を得つつあることなども報告し,議論する。

P-22 「周縁地域」をどう捉えるか

平川ひろみ

 考古学的に「周縁地域」をどのように捉えるのが適切なのであろうか? ここでは九州において伝統的にしばしば「辺境」と評価されてきた地域的な考古学的現象をとりあげ、新たな視点から見直す試みについて発表する。とくに、弥生時代、古墳時代、中世の西北九州や南九州の現象とその新たな解釈をもとに、異文化導入に重要な役割を果たしたインターフェースとして解釈できる可能性を示す。また、そのメカニズムについても論及する。

P-23 三次元計測の実践から-土器資料における大型品から破片資料まで-

太郎良真妃

 考古学における様々な対象の三次元計測・データ化は急速に進展しつつあるが、その「品質」はどの程度を追究すればよいのであろうか。またデータ取得においてどのような注意点やコツが必要であろうか。これらは多くの人が直面する点と思われるが、とくに多数のデジタル写真の解析に基づくSfM/MVSによる実践経験をもとに、考古学的に必要とみられるレベルや効果的なデータ取得法などの詳細について、破片資料の場合にも留意しつつ述べる。

P-24 持続可能な開発目標(SDGs)からみたスーダン国立博物館所蔵鉄製品

関広尚世

 スーダン国立博物館所蔵鉄製品には、1960年代のヌビア遺跡群救済キャンペーンで出土した資料がある。こうした資料は、新出土資料の収蔵に追われるなかで、専門家の記憶からも薄れてしまった状況にある。近年、文化財は「持続可能な開発目標(SDGs)」という国際目標下でも注目されつつあるが、既存資料の研究や活用も視野に入れるべきである。本発表では、スーダンが持つ特殊性を鑑みながらSDGsと文化財の関係を具体化する。

P-25 弥生社会における人の「移動」-神奈川県2遺跡の事例から-

佐藤兼里、白石哲也

 本報告では、弥生社会における人の「移動」に関する問題を扱う。今回、その検討対象として神奈川県中里遺跡と同県神崎遺跡を取り上げることにした。これら2遺跡は、出土遺物や遺跡構造から「移動」や「移住」が想定されており、これまでにも様々な角度から検討が行われてきた。結果、「移動」の実態は明らかになってきたものの、それらの多くはローカライズされた研究が多く、弥生社会全体のなかでの位置づけは、明確ではない。そこで、報告者らは、弥生社会において人の移動が生じた要因や史的波背景を明らかにすることを目的として、まずは、これら2遺跡を対象に分析を行った。