考古学研究会
<考古学研究会事務局>
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考古学研究会学術リポジトリの運用指針について


「考古学研究会学術リポジトリ」の運用指針

考古学研究会の会活動における知的生産物(会誌掲載論文・記事・例会発表・会の催事など)は、本会の会員の貴重な財産として、同時にその社会的責務としてその公開により知が社会に共有され、活用されることが、今後の考古学研究会と考古学・文化財学のために重要である。
「私たちの考古学」として会誌を発行して以来、本会の社会的責務は、常に考古学の社会化による知の共有であった。現在のIT技術の進展は、インターネットを通じてこれを可能とし、国際的にも、国内的にもより広い社会の知の拡散を可能としている。現在、機関学術リポジトリによる研究や活動成果のオープンアクセスが一般化しつつあるなかで、考古学研究会も会活動の一環として、その整備を進め、社会的要請に答えていくものとする。

1.学術リポジトリの意義

 考古学研究会がオープンアクセスの学術リポジトリを構築する意義は、以下のようにまとめられる。
(1)会活動の主体である研究活動の社会に対する説明責任の履行
(2)研究・運動団体としてのブランド力や情報発信力の向上
(3)学術研究成果及び運動や活動成果の永続的・効率的な蓄積
(4)活動の社会化による問題意識の共有や新たな視点での研究の発展
(5)学術情報公開に関する管理コスト全体の軽減
(6)膨大な比較・蓄積データのマイニングによる新しい研究・活動・運動の発展
(7)考古学に関する社会的関心や社会的意義の普及・啓発の推進
(8)研究会の知名度や認知度の向上とそれに伴う会活動の拡大
(9)地域社会における会の学術研究のフィードバックと蓄積
(10)地域の活動や運動の成果や社会的影響に関する外部評価
(11)活動記事の社会化による価値観の共有や知の深化
(12)多くの研究を参照できることによる地域の新しい知の創造
(13)被論文引用率の飛躍的な向上
(14)学術論文の引用に関する剽窃や盗作などリテラシー違反に対する明確な根拠
(15)関連学術分野の網羅的な検索と比較・検討の実施

2.学術リポジトリの趣旨

考古学研究会学術リポジトリは、本会の会活動や会誌に反映された会員の知的生産物を収集し、その社会化と将来における蓄積・保存を目的に、それを電子的なデータ形式によって、無償で発信・提供することにより、本会の学術研究の発展にすするとともに、広く社会に対する貢献を果たそうとするものである。

3.学術リポジトリの公開

考古学研究会学術リポジトリの公開は、著作権者からのリポジトリ登録手続きを受けて、刊行後1年を経過した後に行う。

4.リポジトリに登録される資料

    考古学研究会学術リポジトリは、考古学研究会の会活動や会誌に反映された知的生産物のうち、次の各項目のいずれかに該当するものを登録の対象とする。
  • (1)会活動と関連して生産された論文や記事等の、学術的・社会的意義のあるもの
  • (2)会活動と関連して生産された発言や録音・映像・写真等の、学術的・社会的意義のあるもの
  • (3)(1)・(2)いずれもが著作権(関連諸)法の申し合わせの中で、本会と著作権者の間で合意が文書により形成されたもの

5.登録と著作権及びその他権利者との関係

    考古学研究会学術リポジトリで公開を希望する者(以下、「登録資料対象者」という)のみに著作権及び各種情報公開に関する権利が帰属しない場合は、以下のとおりとする。
  • (1)著作権が登録者を含め複数の者に帰属する場合は、登録資料対象者は法務委員会に対し、リポジトリ登録について、他の著作権者の許諾が得られていることを文書で通知し、法務委員会はこれを精査し確認する。
  • (2)著作権が登録資料対象者以外の個人や団体に帰属しているとき、登録資料対象者は法務委員会に対し、リポジトリ登録について、著作権者の許諾が得られていることを文書で通知する。著作権者があらかじめ許諾の方針を社会的に明らかにしている場合はその限りではない。
  • (3)登録資料対象者が登録しようとする内容の公開が、登録資料対象者本人以外の肖像権あるいはその他の情報に関する権利と抵触すると想定される場合は、登録資料対象者は法務委員会に対し、リポジトリ登録について、各種情報公開に関する権利の許諾が得られていることを文書で通知し、法務委員会はこれを精査し確認する。
  • (4)登録資料対象者の著作権は、公開によって、考古学研究会に移転しない。リポジトリ登録後も、著作権者のもとに留保される。
  • (5)考古学研究会は、上記(1)~(4)の著作権関連事項をリポジトリに明記し、利用者に著作権(関連諸)
    法の遵守を求めるとともに、当該の複製物や二次使用が出来るだけ制限される技術的対応を行う。
  • (6)登録資料対象者の登録しようとする内容の公開が、肖像権など各種情報公開に関する権利に抵触する可能性がある場合は、法務委員会の下で精査の上、公開に制限を行う。

6.登録された資料の抹消

    以下の場合、登録された資料を抹消する場合がある。抹消は、法務委員会の報告により常任委員会で決定する。
  • (1)法務委員会の精査により、著作権あるいは各種情報公開に関する権利に関し、登録資料対象者から提出された文書に疑義が生じた場合
  • (2)登録資料対象者から削除の申請があった場合
  • (3)登録資料が、著しく社会的に不適切と法務委員会によって判断される場合
  • (4)公開された登録資料により特定の個人や団体に直接的な社会的影響が及ぶ状況が生じ、客観的にこれが観察された場合
  • (5)登録資料が、公序良俗や各種法令に違反する場合、また、特定の個人や団体に言及することで間接的な影響が想定されることが法務委員会によって判断される場合

7.本指針の変更について

本指針は、法務委員会の発議により考古学研究会常任委員会の議を経て改訂されるものとする。

8.施行期日

本基本方針は、2021年2月13日から施行する。